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放射能から子供を守れ19-「権威ある公式見解より、現実・真実を直視せよ!」

首相官邸ホームページに掲載されている

「チェルノブイリ事故との比較」
http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g3.html

では、

「チェルノブイリでは、高線量汚染地の27万人は50ミリシーベルト以上、低線量汚染地の500万人は10~20ミリシーベルトの被ばく線量と計算されているが、健康には影響は認められない。例外は小児の甲状腺がんで、汚染された牛乳を無制限に飲用した子供の中で6000人が手術を受け、現在までに15名が亡くなっている。福島の牛乳に関しては、暫定基準300(乳児は100)ベクレル/キログラムを守って、100ベクレル/キログラムを超える牛乳は流通していないので、問題ない。」

と記述しています。

この

「健康被害は、放射性ヨウ素で汚染された牛乳による小児の甲状腺ガン6000人(15名)のみ」
「セシウムによる健康被害は存在しない」

というレポートは、

長瀧重信氏 (長崎大学名誉教授、元(財)放射線影響研究所理事長、国際被ばく医療協会名誉会長) と
佐々木康人氏 ( (社)日本アイソトープ協会 常務理事、前(独) 放射線医学総合研究所 理事長)

によるもので、IAEA、ICRPなどの国際機関による2006年チェルノブイリ・フォーラムの総括の公式見解に基づいております。

また、同じく放影研(ABCC)による広島・長崎での疫学調査では、低線量被曝や内部被曝による健康障害を認めておりません。

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しかしながら私達を始め多くの方々が、この「公式見解」に疑問を持ち、また信じておりません。

 例えば、「セシウムによる健康被害は存在しない」にも拘らず、なぜベラルーシでは、食べ物のセシウムの基準値を設け、学校などを拠点に検査を行い、神経質なまでに子供たちの体内のセシウムを計測するのでしょうか?

 何故、いまだに多くの市民団体が救済活動や子供たちの被曝量を減らすための疎開や林間学校などを支援しているのでしょうか?

日本でも多くの民間団体が活動しています。

・特定非営利活動法人チェルノブイリへのかけはし
http://www.kakehashi.or.jp/

・特定非営利活動法人 チェルノブイリ救援・中部
http://www.chernobyl-chubu-jp.org/

・NPO法人 チェルノブイリ医療支援ネットワーク
http://www.cher9.to/

・市民団体 「チェルノブイリの子供を救おう会」
http://www.k-mariko.com/old/sukuokai/top.htm

 また、ドキュメント映画「チェルノブイリハート」の85パーセントの子供が何らかの障害を持って生まれてくるという衝撃のみならず、

NHK「汚された大地で~チェルノブイリ20年後の真実」での広島大学名誉教授の佐藤幸男医師とベラルーシのゲンナジー・ラジューク医師の40年に渡る研究から低線量長期内部被曝で子どもの染色体異常が10倍という報告、

NHK「“内部被曝”に迫る~チェルノブイリからの報告」では、心疾患が事故前の6倍に激増、住民の3人に1人が心疾患と述べられています。

 このような様々な情報とともに、先日、来日したベルラド放射能安全研究所のウラジーミル・バベンコ氏の講演からも、チェルノブイリ事故による放射能の健康被害の現実は、「公式見解」と大きくかけ離れているとしか考えられません。

 そして、IAEAのチェルノブイリ調査を担った放影研は、広島・長崎においても疫学調査から低線量被曝や内部被曝による健康障害は認められないとしてますが、このデータ自体が司法の場で問題ありとされ、原爆症認定訴訟26連敗中です。

 今更ですが改めて、首相官邸ホームページに掲載されているIAEA(放影研・放医研)の「公式見解」は、現実と大きく乖離しているのではないでしょうか。

★IPPNW「チェルノブイリ健康被害」新報告と、首相官邸資料「チェルノブイリ事故との比較」との驚くべき相違

http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/04/blog-post_17.html

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ここで大きな問題となってくるのが…、

現実と乖離した権威ある「公式見解」が正しいことを大前提として、政府・行政の施策が行われ、また、福島県民の疫学調査が行われようとしていることです。

実際に放影研グループの山下俊一氏が指揮する県民健康管理調査検討委員会の疫学調査は、

「被害は、放射性ヨウ素で汚染された牛乳による小児の甲状腺ガン6000人(死亡15名)のみ」
「セシウムによる健康被害は存在しない」

という公式見解にしたがってエコー検査など甲状腺に偏り、内部被曝を考慮せず、全員の尿検査も実施せず、指摘されている甲状腺ガン以外の様々な健康被害を視野に入れてるとは思えません。

 実際にベラルーシの現場で活動している団体や直接治療に携わっている医療関係者は、放射能による健康被害が小児の甲状腺ガンのみならず、乳がん、前立腺がんなどの様々なガン、白血病、流産、死産、奇形、無脳症、心疾患から、生理不順、鼻血、皮膚疾患、倦怠感、鬱などの精神疾患に至るまで、多岐にわたると報告しています。

★チェルノブイリ事故による放射性物質で汚染されたベラルーシの諸地域における非ガン性疾患

http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/09/non-cancer-illnesses-and-conditions-in.html

★ベラルーシ・ゴメリでの、子どもの非がん性疾患の激増

http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/09/sharp-increase-of-non-cancer-diseases.html

福島の疫学調査は、内部被曝を考慮しなくていいのか?
放射能の影響と指摘される甲状腺以外の疾患や症状の調査は行わないのか?

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政府・行政の施策、福島県民の疫学調査は、「権威ある団体や学者の公式見解&学説」に盲従するのでなく、「現実・真実」に従って行われなければなりません。

 ベラルーシで何が起こっているのか…。

 もっとベラルーシの現場で活動している民間団体や医療関係者に耳を傾け、放射能による健康被害の現実、真実を直視して正しく把握し、放射能被害を最小限に抑える施策を行って頂きたい。

このままの「公式見解」を正しいとした大前提では、正しい医療、正しい疫学調査、正しい食品の基準値、正しい除染活動、正しい瓦礫の処理が行われるとは考えられません。

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